« 月初の恒例 | トップページ | 箱根の朝 »

2008/09/06

車両の高さ

Img_1392s

今日は借りてた本を返しに図書館へ・・・

自転車でいけばいいんですが、ピークは過ぎたとはいえ、日中はまだ暑い。

で、結局ご近所の足の軽自動車で出かけたのですが、ここの図書館、このクルマで出かけようとすると、実は意外に不便でありまして・・・


地下から入るタワーパーキングが備わっているのですが、このパーキング制限高さが1.55m
そのため、最近のちょっと背の高いクルマはみんな数少ない外の駐車場待ちになっちゃうんですね。

御覧のように駐車待ちのワンボックス系の横をプリウスが追い抜いて地下の入口に向かいます。


この図書館、いつ頃に設計施工されたのかわからないですけど、設計時に想定していた「乗用車」の比率が近年異なるものになってしまってるのではないかと感じました。

|

« 月初の恒例 | トップページ | 箱根の朝 »

コメント

いちおう建築が専攻なので弁護しておきますと(笑),こういう公共建築には,想定されるクルマの設計寸法基礎データってのがあるんですね.で,それに則った結果が高さ1550mm というわけです.

例えば現に,物凄く不人気だった日産ラシーン.あれはこの高さをギリギリでクリアするように全高が設定されています.つまりクルマを設計する人はそれを知っているわけで,イマドキの妙に背の高いクルマを造った奴は,知った上で配慮してないんですな.まぁ初手から「こんな背高の SUV なんてのは一過性の流行だから,そんなことまで考えるこたぁねぇや」とでも思ったのかも知れませぬ.

このように,都市インフラがクルマの大きさを左右するケースと言うのは,日本では旧規格の軽自動車の幅(1間:1820-500=1300mm),いっぽう欧州,特に旧い建築物が多いイタリアなどでは,駐車スペースは前世紀の馬車のサイズが基準ですので,それに合わせて全幅1500mm 以下が求められ,往年の FIAT500,600はもちろん,ごく近年の Seicento や Y もその幅に収まっております.
但し近年の Punto になってその寸法から逸脱したことで,図らずも Smart なんぞに売上を奪われることになってしまいました.結局,クルマも都市の一部でありますれば,あまり勝手な寸法設定は公共モラルからしても如何なものかと思いますねワタシは.

参考: http://www.webcg.net/WEBCG/essays/makkina/e0000017391.html?pg=2

投稿: 「い」 | 2008/09/07 01:39

>「い」さま

コメント多謝であります。

やはり想定基準データに基づいているとは想像がつきましたが、改めてイマドキの車が「確信犯」だってことですよね。


ワタシの実感もまさにそこにあったのですが、本当に背の高いクルマばっかりになったもんだなぁ・・・と思いますね。
Hondaプレリュードや、S13シルビア、カリーナEDなんてのが流行ったころは(今やどれ一つとして生き残ってませんが・・)みんな少しでも低くなりたいって思ってたのに、様変わりしたもんだと・・・

ちなみに147ですと全高が1450mmですからちゃんと地下に入れます。(屋根の上のアンテナが引っ掛かるので外に出て外す手間はありますが。)

前述のプリウスでは1490mmとまさしく「知って配慮した」高さになっておりますね。

それにしても彼の地ではPandaがサイズを拡大して、ユーザーは小さいのに流れたとのことですが。此方日本の実情はと言えば、停める場所もおぼつかないのにみんな大きいクルマに流れてるってなことを、駐車待ちの列に並びながら思ったわけです。

投稿: komi | 2008/09/07 07:08

拙宅が入っている集合住宅の駐車場、パレットが地下に潜るタイプなんですけど、やはり高さ制限が同じですね。
総戸数に対して8割ほどしか敷地内に駐車場が無いのですが、地下に潜るタイプは不人気のようで、空きが結構あるようです。
金銭的な問題だけでなく、高さ制限も引っかかってるようですね。

投稿: まさそり | 2008/09/07 07:31

>まさそりさん

やはり「1550mm縛り」なんですね。
本当に最近のクルマってば、衝突安全とか、居住性の向上とか、求められることが増えているのもあるんでしょうけど、やたらに大きくなってるなぁ。とも同時に思いますね。

高さだけじゃなく、幅だって今じゃ3ナンバー幅が普通になっちゃったけど、日本ではまだまだ5ナンバー幅のほうが使い勝手はいいと思うんですけどね。

投稿: komi | 2008/09/07 15:07

建築法規については、すでに「い」さんからコメントが付いていますので、もっぱら心理学の方面から・・・て、小難しい話ではありません(笑)。

クルマのサイズによる心理的な圧迫感は、ルーフの上面が見えるか見えないかで大きく変わります。ちらとでも見えていれば安心するというか、人が御しえるサイズ感になります。

なのでルーフの高さを、人の目の高さにおさえることが肝要。日本人であれば男性の平均値なら1600くらい、女性なら1500くらいかな。最新のデータが手元に無いのでいい加減ですが。

トールボーイと言われた初代シティの全高が1470ですから、あれは女性にも「小さくて可愛い」と言われたわけです。

最近は軽自動車でも全高が高いのが増えてますが、これはやはり女性が強くなったんですかねえ(笑)。

投稿: akira isida | 2008/09/07 18:08

>akira ishidaさん

成程、目の高さとルーフの上面が見えるか?っていうのは言われてみれば納得ですね。


それにしてもあれだけ背が高いと思った初代シティが1470mmとはねぇ。

当時はすごく全高が高いと思っていましたが、今では普通の高さですね。


本当に世のクルマの全高が上がってるんですね。

ちなみにうちのTANTOの全高は1725mm、全幅1475mmですから幅よりも高さのほうがあるという変な縦横比になってます。

・・・寸法からだけ考えれば、横倒しにすれば地下の駐車場に入れる勘定になりますね。

投稿: komi | 2008/09/07 20:19

> ルーフの高さを人の目の高さに

そう言えば,いま話題のトヨタ iQ がちょうどそのくらいの気がしますね.Smart も同じくらいでしょうか.つまり両車とも図書館と立体駐車場はO.K.ってことでw

投稿: 「い」 | 2008/09/07 23:49

>>「iQ」

全幅:1680mm 全高:1500mmだそうです。

=>http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20080305/1007717/


一方の「Smart for two」

全幅:1560mm 全高:1540mm

=>http://www.smart-j.com/lineup/fortwo/coupe/spec/index.html

Smartはきっちきちだけど、どちらも高さ1550mmをしっかりクリアしてますね。

長さは2720mmと2985mm (もちろん長いほうが「iQ」ですね)


投稿: komi | 2008/09/08 09:01

>停める場所もおぼつかないのにみんな大きいクルマに流れてるってなことを.....

日本人は「並ぶ」のが大好きですから(笑)

投稿: るく | 2008/09/08 10:22

日本は「ヨコ並び社会」と言われますが,確かにタテに並んで列を作るのも好きかもですなw

ところで駐車場の基準寸法,高さは既述の通りですが,いっぽう長さは5000mm,幅は2300〜2500mmで設計しています.つまり,全長2500mmのクルマがあれば,「ヨコのモノをタテに」停められるので,1台分のスペースに2台停められるというオイシイことになるのですが,さすがの Smart でも惜しくも220mm長い.まぁそれだけ短縮したら車体設計が成り立たぬでしょうなぁ.

# コンセプトカーでは,ちょくちょく可変ホイールベースで駐車中は縮むという奴を見掛けますが,まぁ実現性は現状では限りなくゼロに近ぅございましょう.

投稿: 「い」 | 2008/09/08 12:03

>るくさん
>>「並ぶ」

まぁ「並ぶほうも」時代や年代が変わると選ぶ商品が変わるのかもしれないけど、やっぱり「誘導」されて同じものってのが好きなんでしょうね、基本的にw

並んでるクルマのほとんどが「白」ってのも同じような理由でしょうしね。

>「い」さま
流石にSmartでも縦に2台駐車は厳しいですね。

Gordon Murray の T-25っての=>http://www.gordonmurraydesign.com/T25.html

UK標準パーキングスペースに3台停められるみたいですけど。

はたしてこういう「合理的」なものがこの国でどれだけ受け入れられるんでしょうね。

投稿: komi | 2008/09/08 18:41

> ゴードン・マーレイ T25

古くは70年代から多くのデザイナーがこのミニマムサイズに挑んでますが,御存知の通り,まだ具体的なソリューションは現れておりませんですねぇ.マーレイのコレも,スキームを見る限りは従来の多くの試みの踏襲のようで,格別に画期的な事はやっていないようですが,マクラーレンF1 でパッケージングの妙を見せて呉れたマーレイのこと,何か面白い仕掛でもあるのでしょうか.

もしこのサイズが妥当な価格とサービス網で実現出来たら,意外と日本でもウケるかも知れませぬ.ここ伊豆の奥地では,道や駐車場が狭いこともあって,Smart に根強い人気があったりしますし,また,木曽の馬籠や郡上八幡,あるいは松江のような前近代の町並みが残っておるところでは,ずいぶん前に絶版になったダイハツ・ミゼット2が,古い町屋にチョコンと収まってたりするのを見る事がしばしばあります.買い替えようにも代替車が無いんでしょうな(笑) また乗用だけでなくトラック仕様が作れたら,ごく狭い農道や林道の作業車としても有望かも知れませぬなぁ.

投稿: 「い」 | 2008/09/08 20:43

>komi様

モノやハコにもよりますが、絵の中心線は140cmに揃え、そこから按配するのが基本です。

先週まわった"Deepな富士"でもマツダの三輪が現役です。「い」様おおせのとおり代替えがないのだと思われます。

投稿: 1sugi | 2008/09/08 21:13

いつぞやも書きましたが、2003年に赴いたロンドンで目立った小さいクルマは以下の三者、サイズも書いておきます。

Audi A2 : 3826x1673x1553
Daihatsu Grand-Move(パイザー) : 4050x1640x1595
デウー・マティス : 3495x1495x1485

ニッサンがこんなクルマを出しましたね
http://www.cardesignnews.com/site/home/new_cars/page/?portlet_action=true&action_wid=2738#132412
Nissan Pixo : 3565x1600x1470

3気筒の1リッターで、インドのスズキの工場で生産するとか。サイズと排気量は初代マーチの再来です。価格によっては、そこそこ売れそうな気がします。


投稿: akira isida | 2008/09/08 21:53

追記

Pixoのリアドアのウインドーグラフィックは、初代チェリーが帰ってきてますねえ(笑)。

投稿: akira isida | 2008/09/08 21:55

10年ちょっと前のミラノでは、路肩に縦列駐車してある車の隙間
もう1台縦列で停めるにはちょっと狭い半端なスペースに
頭から突っ込む形で停められているFIAT500をよく見かけました。
また、横幅1500mm以下の路地なんてのもそこかしこにあって
「なるほど。こういう事情があるから、500が現役なんだな」と500が現役である必然を実感ました(笑)

投稿: るく | 2008/09/09 08:45

>「い」さん

仰せのように小さいクルマの需要はあるんだと思います。実際に軽自動車(これもずいぶん「大きく」なってるわけですが・・)がこれだけのシェアを持っている背景は税制優遇だけじゃないはずですよね。

>1Sugiさん

成程、そちらの世界でも「高さの基準値」ってのがあるわけですね。高さ140Cmというと、女性でも見上げることなくという感じなんでしょうね。

>akira ishidaさん

「A2」Audiがかなり気合を入れて開発したようですが、結局日本には入ってこなかったやつですね。

その後Audiも路線を変えたのか、こいつの後継は居ないですよね。

日産の新しいのは面白そうです。(確かに「チェリー」入ってますね)

>るくさん

日本でも、まだまだ「い」さんもおっしゃるように、小さいほうが使い勝手の良い場面って少なからずあると思うのですがねぇ・・

どうも「となりの車が小さく見えます」的な根性が抜けきれてない国民性もあるようですね。

投稿: komi | 2008/09/09 13:18

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 車両の高さ:

« 月初の恒例 | トップページ | 箱根の朝 »